文学部ひよこ雑記

文学部在住

フランス語名詞 男?女? ネイティブの覚えかた


フランス語って大変ですよね。
80を4×20と言ってみたり、名詞にも形容詞にも男性・女性の概念があったり、主語と活用形の違いによって1つの動詞を40種類くらいに活用してみたり。

 

見てくださいよこれ。どうしようもない…動詞の活用。 画像は『エメ・ブ・ラ・フランス?』第三書房より

 

とまあ、フランス語のなせる悪行には枚挙にいとまがないのですが、ここでは名詞の男・女をどう覚えるかという話をしましょう。

少しフランス語に触れたことのある人ならば『「語末のe」でわかる』と言うかもしれません。
France,table,étudiante(女子学生),chaise(chair[英])
Japon,bureau(desk[英]),étudiant(男子学生),fauteil(肘掛け椅子)
確かに上はすべて女性名詞だし、下はすべて男性名詞です。しかしこのようにして覚えても、先生曰く8割しか当たりません。残る2割の例外をすべてひとつひとつ「これは女性、あれは男性」と覚えるわけにもいきませんから、なんらかの策を講じないことには突破は不可とみて良いでしょう。

さて、どうするかということですが。実はネイティブの方は、名詞の前に不定冠詞をつけて覚えるらしいのです。例)un fauteuil,une chaise
実際に名詞を使うときは冠詞をつけて使うことが基本ですから、こうして併せて覚えるのは実践的・合理的です。
むしろ名詞だけを覚えたところで何の意味もありません。名詞だけ覚えて、後から男性か女性かを悩みながら覚え(恐らく覚えきれないでしょう)、unかuneのどちらをつけるのかを一々判断していたら、一体会話はいつ終わることやら…(そもそも会話が始まりさえしないかも)。
我々初学者は新たな単語を一から覚えるわけですから、chaiseと覚えようがune chaiseと覚えようが、労力に大差はありませんよね?現地のこどもがこの手法で学ぶというのもごく自然な気がします。

「なぜ定冠詞(the[英])ではなく不定冠詞(a/an[英])なのか」
というと、定冠詞にした場合、leもlaもl`hôtelのようにl`と略されてしまい、発音上の区別がつきませんよね(unとuneであればアンとユンヌです)。
それに、そもそも不定冠詞を基本とするほうが自然な気がします。

ということで名詞の男・女を覚える方法は「冠詞をつけちゃう」でした。
与太話ですが、先生曰く、フランス語話者的にはun fauteilという単語があるイメージなんだそうです。fauteuilとはなかなか言わないし、まあ当然と言えば当然ですが。
無駄話をもうひとつ。先生はこの世の事物をみて「男、男、女、男」というふうに即座に性別を言い当てることができるわけですが、それはどうも肘掛け椅子(un fauteil)を見たときに、何よりも先にunを頭に思い浮かべるからではないか、と仰っていました。
確かに、名詞を使うときには男女どちらかの不定冠詞とともに使うことが多いということは、自然と性別を体に覚えさせることに繋がるのかもしれません。

では、Bonne journée!